近年、SNSだけではなく自社が運営する「オウンドメディア」を活用している企業が増えてきています。では何故わざわざ自社でメディアを保有し運営する必要があるのでしょうか。そこにはSNSを利用するだけでは得ることのできない目的があるのです。この記事では、企業がオウンドメディアを保有する目的について解説しています。
オウンドメディアの目的とは
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自分で保有しているメディアのことを言います。広義ではSNSアカウントなどもオウンドメディアに含まれますが、一般的には企業が運営しているブログやウェブマガジンなどをオウンドメディアと言うことが多いです。企業がオウンドメディアを保有する目的として、まず商品やサービスを認知してもらうため、ということが挙げられます。いくら優れた商品やサービスを開発しても、消費者に知ってもらわなければ買ってもらうことはできません。顧客が商品やサービスに触れる窓口の一つとしてオウンドメディアを設置しておくと、幅広い潜在顧客に接触することができるのです。
オウンドメディアを所有するもう一つの理由は、商品やサービス、時には企業そのもののファンになってもらうためです。単に売って終わりというのではなく、自分たちがどんな思いで商品やサービスを作ったのか、自分たちがどのようなことを目指している企業なのかをアピールすることは、重要なマーケティング手法になっています。潜在客を見込み客に育て、更にそこから優良顧客になってもらうことで、顧客との間に強い関係性を結ぶことができます。オウンドメディアは、その目的に適したツールなのです。
他のウェブマーケティングでは不十分?
ウェブマーケティングと聞くと、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアを活用したものを思い浮かべる人も多いと思います。確かにこうしたツールは拡散力に優れており、ウェブマーケティングでも大きな武器となります。しかし反面、「新しい情報にしか接触してもらえない」という弱点を抱えているのです。また、自社の思い通りに管理することができず、炎上などリスクを背負うことにもなります。効果測定も難しく、計画的に活用していくことが難しいです。その点、サイトにコンテンツを置いておけるオウンドメディアは、倉庫のような役割を果たすことでソーシャルメディアの弱点を補うことができます。自社の思い通りに管理することもできますし、コスト効率も高くなります。これもオウンドメディアを保有する大きな目的と言えるでしょう。いろいろなマーケティング手法を組み合わせることで、それぞれの効果を高めることができるのです。
すぐに売り上げが上がるわけではない
オウンドメディアを立ち上げても、それがすぐに売り上げに直結する訳ではないことを押さえておく必要があります。というのも、ホームページやウェブマガジン、ブログにアクセスしてくる段階の顧客は、まだ商品やサービスに興味がない状態であることが多いためです。そのため、すぐ結果には繋がりません。しかし、即効性はないものの、自社メディアとして永続して利用することができるのがオウンドメディアの強みです。時間をかけて潜在顧客を育てていくため、一度顧客化してから使ってもらえるお金の額は大きくなると考えられています。直近の売り上げアップが目的ではなく、顧客と長期的な関係を築くことが目的であることをしっかり理解しておきましょう。
いろいろな媒体を併用しよう
商品やサービスのことを知ってもらう、好きになってもらうことが、オウンドメディアの主な目的になります。また、ソーシャルメディアが持っている弱点をカバーしお互いの強みを活かすことも、重要な目的と言えるでしょう。オウンドメディアの特徴を理解し、目的に応じて上手く活用することができれば、顧客との関係を深めることができるはずです。