オフセット印刷機の構造

オフセット印刷機の構造

印刷機の技術と発展

印刷の歴史から見てみると、今の印刷の技術はとても進化しています。昔は、テレビやインターネットなどがなかったので情報を伝えるには、紙などに書いて伝えなければなりませんでした。そうした中、短時間で大量に複製しなければならなかったのです。そうした需要のなか、どんどん印刷技術というのは発展していったのではないかと思います。

今の時代デジタル印刷の需要が上がってきていますが、まだまだオフセット印刷機は、メインで活躍しているのが現状です。では、オフセット印刷機とは、どのような特徴があり、また、どのような構造なのでしょうか?

オフセット印刷の特徴

特長としては、オフセット印刷機は、短時間で大量の印刷物を生産できます。給紙(紙を機械供給する部分)の構造はとても複雑に出来ていて、ある程度の紙の種類も対応でき(許容範囲がある)、高速に紙を送る構造になっています。また排紙(印刷された紙が出てくるところ)の部分では、印刷された紙がスムーズに積まれていく構造になっています。だいたい一時間に8千枚から9千枚生産できます。

給紙の部分
排紙の部分

いろいろ細かい構造を説明すると、かなり長くなってしまいますので、ここではオフセット印刷がどのようにインキが紙に印刷されるか説明します。

オフセット印刷には、版というものを使います。版とは、印刷するための原盤みたいなもので、活版印刷でしたら活字にあたるものです。オフセット印刷は、活字を使用しないので、今では、CTPという機械からps版という版を出力して作ります。他にも、シルバー版・ピンク版などいろいろな方法があります。PS版は、薄いアルミの板で出来ていますので、丈夫で版が伸びにくいので、位置合わせが正確になるという特徴があります。コストはシルバー・ピンク版より高くなりますが、現在主流の版になります。

先ほど出てきたCTPという機械は、イラストレーターなどで制作したデーターをps版に転写させる機械で写真を現像するような感じでデーターをアルミの板に転写させて版を作ります。今ではエコタイプのCTPがリリースされていますので、現像液を使用しないものまであります。

出来上がった版を見てみると、印刷される部分は少し濃くなっていて目視できるようになります。(種類によっては見えないようになっているのもある)

その版を機械に取り付けます。取り付けた版は、水を供給されるローラーとインキを供給するローラーに接触させます。ここで、水を供給するローラーはどのような役割をしているかと言いますと、水のローラーで版にまんべんなく水の膜を作ります。印刷したい場所には、水が付かないようになり、それ以外の印刷されたくない場所には、水の膜が出来ます。ここが印刷機の版の最大の特徴です。その後、インキを供給するローラーが版の上に接触すると、水の膜が出来ていない場所にインキが付着します。

インキが付着した版が、ブランケットというゴム状の物を取り付けてある胴にインキが転写されます。その後、ブランケットに転写されたインキが紙にまた転写されて、印刷物が出来上がります。

ですので、オフセット印刷には、水とインキのバランスがとても重要になってきます。

インキの種類、水の種類、湿度、機械の温度が絶妙に保たれて、いい印刷物が出来るということです。

水の量が少ないと、細かい文字がつぶれてしまったり、水が多いと印刷物が薄くなってしまいます。また、インキを出しすぎると、印刷物が濃くなってしまい、乾きにくくなってしまいます。機械の温度が低いと、インキが固くなってしまい、インキの流動性が悪くなり、しっかり版にインキが行き渡らなくなってしまいます。湿度が大きすぎると、版に水が多くいってしまったりと、いろいろ不都合がでてしまうのです。

実際私が印刷機で一番気を付けているのは、上位から温度>ローラーの状態>ブランケットの状態>湿度という感じで気を付けています。職人さんそれぞれの考え方があると思いますが、私は、この順番で重要視しています。

温度と湿度は、目安として、人が快適に生活できる空間なら印刷機にとってもいい環境と言えます。ですので、冬場では、エアコンを朝出勤前からタイマーで付け機械を温めておきます。経費削減ということで、この部分を重要視していない印刷会社さんがいるとすれば、そこには、印刷物を頼まないほうがいいですと言えちゃうくらい、温度管理は絶対に必要です。

印刷機のローラーは、ゴムを使用しています。ゴムは、必ず寿命がありますので、ローラーの交換はこまめに交換するようにしています。ですが、コストも非常にかかるので、なるべくゴムの寿命を長くするために、きつい洗浄液をなるべく使わない。特にすごくきれいになる洗浄液は、ゴムの寿命を短くしますので、気を付けるようにしています。

今回ちょっと専門的なお話でしたが、オフセット印刷機は、かなりの技術が要する機会です。そこが奥深く面白いところでもあります。