インターネットで調べ物をしている時、気になったことをその場で質問できるチャットボットを目にする機会が増えてきました。利用してみると便利ですし、ホームページを持っている人はチャットボットを導入してみたいと思う人も多いのではないでしょうか。ここではチャットボットを導入するメリットとデメリット、そして導入している具体例を紹介します。

チャットボットとは

チャットボットとは、会話をするロボットのことで、質問を通して会話するコミュニケーションツールです。

事前に想定される質問と回答をプログラミングしておくことで、消費者やユーザー、顧客とコミュニケーションを取り問題を解決してくれます。そんなチャットボットには、大きく分けて人工知能型とシナリオ型があります。

人工知能型

想定される質問と回答を人口知能に学習させ、ユーザーとの会話を通して精度を上げて適切な回答を適宜導き出していきます。

人工知能のチャットボットは、はい・いいえで選択してコミュニケーションを取る形と、選択肢の中から選ぶタイプ。そしてキーワードを辞書の中から選ぶ形と会話の蓄積をログとして記録し自然な会話を実現するというものがあります。

スマートフォンに搭載されている人工知能をイメージすると分かりやすいでしょう。

シナリオ型

シナリオ型はユーザーに選択肢を提示して、知りたい情報を絞り込んでいく方法です。

例えば、家電が壊れてしまい、修理方法を知りたくて検索した場合、どの家電か、壊れた場所はどこかなど、状況を選択してもらいながら解決方法へと導いていきます。

チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入するメリットは6つあります。

いつでも対応が可能

電話や窓口での対応の場合、対応時間が限られています。しかし、チャットボットは24時間365日いつでも対応が可能なので、深夜でも自宅以外でも利用することができます。

業務の効率化が図れる

いつでも対応できるということは、人を配置しなくて済むため業務の効率化が図れるというメリットもあります。今まで人を配置していた場合、別な作業に時間を使うことができます。

コストの削減

今まで人が行っていたものを自動化するので、初期投資はかかりますが、長い目で見ると人件費が別な場面で活用されるため、コストの削減につながります。

同時に多数の問い合わせに対応可能

人間が対応できるのは、1人に対して1人の顧客やユーザーです。しかしチャットボットなら、同じページを見ている人が複数問い合わせしたとしても同時に対応することができます。

顧客や利用者の満足度が上がる

窓口での対応を望む人もいますが、気軽に調べたいという人は、チャットボットを利用して情報を得ることができます。知りたい情報が得られれば、顧客や利用者の満足度が上がるというメリットも生まれます。

機会損失を防ぐことができる

チャットボットは、問い合わせだけでなく、採用やネットショッピングでのちょっとした疑問をすぐに解決してくれるので、「買おうと思ったけど分からないから今回は止めておこう」という機会損失を防ぐこともできます。

チャットボットを導入するデメリット

チャットボットを導入するメリットはたくさんありますが、気になる点もあります。チャットボットを導入するデメリットは3つ。ひとつずつチェックしていきましょう。

コストがかかる

チャットボットはどのような場面で活用するか、そしてどのような機能を選ぶかで値段は変わってきますが、初期費用と毎月の利用料がかかります。

使っていく中で、チャットボットの精度をあげていく必要がありますし、メンテナンスやアップデートをしなければいけません。初期費用は、簡易なもので5万円程度、価格は10万円~20万円とまちまちです。運用費用は月額で10万円~が多く、利用する場面に応じてカスタマイズして作られます。

しかし、窓口対応として人を配置する人件費を考えると、1人以上配置しなければいけないので、かなりコストを抑えることができ、コスパが良いと言えます。

導入するための準備期間が必要

チャットボットも日々進化しているので、「こういうものがあったらいいな」というものを実装させることが可能です。しかし、そのためには、質問と回答を作り、どのように誘導するのかのフローチャートを作成するなど、準備する期間が必要となります。

数ヶ月~半年程度は準備に時間がかかることを想定して、検討しなければいけません。

精度を上げるための手間がかかる

人工知能型のチャットボットは、ユーザーの会話を通して機械学習をしていきますが、意図しない回答をしてしまうケースもあります。定期的に会話のデーターを確認しながら、間違っている個所は修正するなどの精度を上げていかなければいけません。

事前にテストをした上で公開しても、想定と違うケースが出てきます。その都度修正してアップデートすることで精度が上がっていくので、設置して放置ではなくメンテナンスも必要になります。

チャットボットを導入している事例3選

ここからは、チャットボットを導入している具体例を紹介します。

ライフネット生命

ライフネット生命

参考:ライフネット生命

ライフネット生命は、チャットボットを利用して保険相談を行っています。生年月日と性別を入力すると、毎月の保険料が表示され、保険の種類を選択して金額の比較をすることもできます。

見積もりの結果をメールで送信することもできますし、そのまま契約のステップに進むことも可能。相談してから判断したいという場合、チャットボットでアドバイザーに質問することもできます。

IR西日本

JR西日本

参考:JRお出かけネット

電車内に忘れ物をした場合、電話で問い合わせるか、駅の係員に確認してもらうなど、意外と手間がかかります。JR西日本は、忘れ物を問い合わせできるチャットボットを設置しました。忘れ物をした日にちと時間、場所、どこの駅で忘れ物をしたのかなど質問に対して回答していくと、情報を絞り込んでいきます。

これなら、直接出向く必要もありませんし、電話で説明する手間もかかりません。

LOHACO

LOHACO

参考:LOHACO

食品から雑貨まで幅広いジャンルを取り揃える通販サイトLOHACOでは、チャットボットをキャラクター化して、身近に感じてもらえるような演出もしています。

気になったことに応えてくれるのは、マナミさん。設定されたカテゴリーから知りたい情報をチェックして進んでいくと、複数の質問から答えへと誘導してくれます。

まとめ

チャットボットは、サイトの左右や下から浮き出してくるものから、キャラクターや診断ものまでいろいろなアイデアで進化を遂げています。チャットボットが気になっている人は、普段見ているサイトにチャットボットが導入されているかどうかチェックしてみると、新しい発見があるかもしれません。